人間仏教はどこに尋ねるのか

私はよくこう聞かれます。「人間仏教とは何ですか」。そして、私はいつもこう答えます。「実は本来、仏教とは人間仏教なのです。なぜなら仏陀は人の世に生まれ、人の世で修行し、人の世で成道したからです。そして、人の世で説法をし、人々を救済しました。人間仏教とは仏陀の本懐といえます。人間仏教は誰かが創造したものでも、誰か特定の人物が提唱したものでもありません」。

 過去の仏教ではいくつかの歴史の風習や習慣や、一部の人の間違った指導により、山林にこもり出世間を重視していました。そのため、仏教は消極的で世俗を離れたものだという印象を人々に刻み付けてきました。人類が段々と近代民主政治の社会に入り、時代が進歩し情報が発達するに従い、仏教も時代とともに進まなくてはならなくなりました。そして、徐々に山林から社会に入り、寺院から家庭へ、出家者重視の仏教から一般の人々の仏教へと移ってきました。仏教には本来社会性があるので大きく弘まったのです。現代に至るまでに、人間仏教の理念は既に人々の心の中に深く入っており、その形式もかなり普及してきています。



 私の生涯はすべて人間仏教の発揚と実行であり、仏陀の本懐に回帰することを希望しています。仏法を人の世で実行し、社会の各層の人々が皆仏教を認識できるようにしたいと願っています。また、仏陀の智慧を通して自己認識、自己肯定、自己実現をしていただきたいのです。そのために長年、私は全世界の佛光人に「給人信心、給人歓喜、給人希望、給人方便」(人々に信念・歓喜・希望・利便(方便)を与える)という、仕事をする上での信条を定めました。また、すべての会員のために「慈悲喜捨遍法界、惜福結縁利人天、禅浄戒行平等忍、慚愧感恩大願心」(慈・悲・喜・捨を遍く法界にもたらし、結縁を惜しみ人天を利し、禅定と戒律の修行を平等心と忍耐を以て行い、慚愧と感恩の心で大願を持つ)という理念を書きました。これは皆さんに人間仏教の精神を具体的に実践することを励ますものです。六十数年来、皆さんの努力の下、人間仏教も確実に社会と人心の浄化、人間善美の推進、人間浄土の建設に抜きん出た影響力を発揮してきました。既に確実に「人間仏教」は「仏陀が説いた、人が必要とする、清らかにできる、善美なもの」であることを実践、証明しています。それは真に理と機に適った仏教であり、現代人の社会生活に適した仏教です。

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